
「カッコーの巣の上で」
・主人公のマクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は精神病を装うことで投獄を逃れて、
・精神科の病院に入院し、
・管理主義的な病院に反抗しますが、
・ロボトミー(現在は行われません)によって廃人にさせられてしまいます。
(以下略)
監督のミロス・フォアマン(「アマデウス」の監督です)はチェコの出身ですが、実父はユダヤの建築家、養父は反ナチ思想の大学教授で、両親は共に強制収容所で亡くなっています。
このことが、彼に「カッコーの巣の上で」を撮らせたのかもしれません。
この映画は以前にも取り上げましたが、あえて書かなかったことがあります。
実はこれを見た時の第一印象は、「何てきれいな病院なんだろう」でした(精神科病院の悲惨さを描いた作品を見て、「素敵だ」と書けませんでした)。当時(1975年)は、こんなに清潔な病院は日本にはまずなかったと思います。映画「ヒポクラテスたち」と比べても歴然と。
当時を思えば精神科の病院は見違えるほどきれいになりました。天国と地獄ほどに。
そして、それに呼応するように(と言っていいでしょうか)、統合失調症は病院で過ごす病気ではなくなりました。一般の人と同じように、学校に行き、働き、家庭を作ることが当たり前になりました。
統合失調症は、早く見つけて適切に治療すれば良くなる病気になりました。
H30年4月に、東大病院に「統合失調症AYA世代センター」がオープンします。AYA(Adolescent and Young Adult: AYA)世代とは、10代~20代(30代を含める場合も)のことです。
若い患者さんを対象にした新しい入院プログラム(「ディスカバリープログラム」)や、一人一人の希望や目標に即した治療法、多職種による包括的なケアなどが行われるとのことです。東大が旗を振ってくれるなら期待できますね。
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