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ADHD Graceの仮説   

一昨日の「神経細胞(ニューロン)の働き」と昨日の「ドーパミンによってスパインの頭部が増大します」を参照してください。


ADHD 低ドパミン仮説(3D PETによるドパミン前シナプス活性の評価。14~15才ADHD男性8例、14~16才定型発達男性6例。Fossberg H,et al Behav Brain Funct 2006)

(日本訳のグラフが見つかりませんでした。ちなみに、一番低下しているR-accは右側坐核です)

ADHDの人は普段の(神経細胞が興奮してない時=tonic)ドーパミン濃度が低いことが分かっています。皮質下(上のグラフの濃い紫の領域)が特に。


側坐核ドーパミン自己受容体


シナプス間隙のドーパミンは、自己受容体を介してドーパミン細胞の発火(神経細胞が興奮してドーパミンを大量に分泌する)を抑制しています(神経細胞が興奮している時=phasic)。

ADHDでは普段はドーパミンが少なく(=tonic)、ドーパミン細胞の発火が抑制されないので、

ちょっとした刺激によって(=phasic)ドーパミンがどっと分泌されます。ドーパミンがたくさん出ると快感なので、その活動に以上にのめりこむことになります(=過集中)。

この濃度の差は、報酬予測誤差を意味します。ちょっとしたことで思わぬ報酬を受け取るわけです。それによって気が散りやすく、落ち着きがなく、多動で、衝動的になります。

つまり、

ADHDは、phasicドーパミンの過剰が原因、

というのが、GraceさんによるADHDのドーパミン仮説です。

ここでシナプス間隙のドパミンを増やす薬を投与すると、tonicのドパミンレベルが上がり、phasicのドパミンの分泌が抑えられるので落ち着いたり、ご褒美が遅れる(=報酬の遅延)のを待てるというわけです。

もっともADHDの仮説はさまざまなので(正反対の説も)、どれが本当か分かりません(全部違うかも)が、個人的にはこの仮説が一番しっくりくるような気がします。


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ドクターサナギ

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「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

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