日本は、国際主義を進めるアメリカの要望に従って、徐々に保護主義を廃止してきました。
グローバリズムは必ずしも日本に恩恵をもたらしませんでした。日本の生産の現場は衰退していきました。
トランプ氏が唱えた「アメリカファースト」は、それぞれの国が「自国を優先する」と読み替えればいいと思います。
アメリカの要望と言いましたが、それはアメリカ国民の要望ではなく、ウォール街の要望でした。
1999年にビル・クリントンが、グラススティーガル法を廃止したことで、マネーゲーム化が加速しました(掛け金がなくても博打ができる法律です)。
その結果がサブプライムローンの破綻とリーマンショックです(掛け金がないのに博打をして、結果が分からない内に換金して、破綻したら、国家に補てんさせるという詐欺でした)。
銀行破綻によって引責辞任した2社の銀行のCEOは200億円の退職金を手にしました。銀行自体も焼け太りでした。
新自由主義政策は、アメリカをはじめ各国に深刻な格差と貧困をもたらしました。
アメリカ国民(とりわけプアホワイト)はそれに対してNOを突き付けたわけです。
トランプ氏は軍事費の削減を目指しています。そもそも独立国に外国の軍隊が駐留していることが異常です。もう敗戦から70年も経っているのです。
というわけですから、2016年は、イギリスのEU離脱とトランプ氏の勝利によって世界が国際主義から大きく転換した年として歴史に刻まれると思います。
<寺島実郎・日本総合研究所会長のインタビュー記事(毎日新聞2016年11月11日)を参考にしました。>
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