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精神保健指定医の不正取得について。

厚生労働省は、不正に資格を取得していた医師と、その指導医の計89人の精神保健指定医の資格を取り消しました。


定められた症例を主治医として十分に診療していないのにレポートを書いたからです。

精神科医療の信頼性を大きく損なう事態です。精神科に携わる者としては極めて大きなショックです。今後信頼を回復するための具体的な対策が必要です。

昨年(2015年)4月に、聖マリアンナ医科大学病院の医師が同様の処分を受け、厚生労働省が平成21年以降に資格を取得した指定医のレポートを再調査した結果です。

精神保健指定医の資格は、患者さんの意思によらない強制的な入院を決定する権限のある、とても重要な資格です。その根幹に求められるのは人権意識です。その資格を不正に取得することは、人権意識の乏しさを表していると言えるでしょう。

上司に当たる指導医に関しては、部下の不正をきびしく確認する義務を怠ったことになると思います。

以下はやや言い訳めいた内容に聞こえるかもしれませんが、ご容赦願います。

大学病院の医師に処分が多かったのは、大学では資格が取るのがきわめて困難だという事情が背景にあると思います。もちろんだからといって許されることではありませんが。

多くの大学病院には強制的な入院施設がないので、派遣された関連病院で症例を経験しなければ指定医のレポートが書けません。

ところが、現在の研修体制になって、市中病院を研修先として選ぶ研修医が増え、大学の精神科を選ぶ医師が減たっため、大学の医局は関連病院に医師を派遣する余裕がなくなりました。

この指定医制度ができてそろそろ30年です。1年先輩までは、経過措置で指定医になったので、僕の同期がレポートを提出して指定医になった最初の年代です。

精神科医療はその当時とは隔世の感があります。統合失調症は軽症化し、うつ病は激増し、発達特性を持つ患者さん、パーソナリティの問題などが増えています。

30年前の基準で指定医を審査するのは実情に合わないのではないかとも思います。

そろそろ制度自体を根本から見直す時期に来ているのかもしれません。

いずれにしても、具体的で実効性のある対策が必要だと思います。

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ドクターサナギ

Author:ドクターサナギ
「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

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