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ケタミンの抗うつ効果はNMDA受容体拮抗作用ではなく、AMPA受容体を介して現れる。

以下の論文が今年(2016年5月)のネイチャーに載りました。精神科関係の論文がネイチャーに載ることはとても稀です。


「NMDAR inhibition-independent antidepressant actions of ketamine metabolites」


ノルケタミン


ケタミンの抗うつ効果に興味が集まっています。

ケタミンは麻酔薬ですが、強力で即効的な抗うつ効果があることが知られています。

Panos Zanosさん達の研究の結果、抗うつ効果があるのはケタミンそのものではなく、その代謝産物の(2S,6S;2R,6R)-HNKだとネイチャー誌に発表しました。

Panos Zanosさん達によると、マウスの実験によって(2R,6R)-HNK に抗うつ効果があるとのことです。

HNKはケタミンと違い、NMDAグルタミン酸受容体の拮抗作用はなく、AMPA受容体を介して効果を示すことが分かりました。

NMDA拮抗作用はケタミンの麻酔作用や精神病惹起作用に関係していますが、AMPAにはその作用がないので、副作用のない抗うつ薬となる可能性があります。


<信州大学医学部の杉山暢宏教授をお招きして、山梨精神科セミナー(2016年10月20日・古名屋ホテル・甲府)が開かれ、「うつ病治療の現状と課題」というテーマでお話をお聞きしました。その際にこの論文を教えていただきました。とても刺激的な内容でした>


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

NMDAR inhibition-independent antidepressant actions of ketamine metabolites

Panos Zanos et al


Abstract

Major depressive disorder affects around 16 per cent of the world population at some point in their lives. Despite the availability of numerous monoaminergic-based antidepressants, most patients require several weeks, if not months, to respond to these treatments, and many patients never attain sustained remission of their symptoms. The non-competitive, glutamatergic NMDAR (N-methyl-d-aspartate receptor) antagonist (R,S)-ketamine exerts rapid and sustained antidepressant effects after a single dose in patients with depression, but its use is associated with undesirable side effects. Here we show that the metabolism of (R,S)-ketamine to (2S,6S;2R,6R)-hydroxynorketamine (HNK) is essential for its antidepressant effects, and that the (2R,6R)-HNK enantiomer exerts behavioural, electroencephalographic, electrophysiological and cellular antidepressant-related actions in mice. These antidepressant actions are independent of NMDAR inhibition but involve early and sustained activation of AMPARs (α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionic acid receptors). We also establish that (2R,6R)-HNK lacks ketamine-related side effects. Our data implicate a novel mechanism underlying the antidepressant properties of (R,S)-ketamine and have relevance for the development of next-generation, rapid-acting antidepressants.


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ドクターサナギ

Author:ドクターサナギ
「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

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