さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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認知行動療法(CBT)は 前頭前野を活性化してパニック発作に効く(かも 仮説)

認知行動療法(CBT)は 前頭前野を活性化してパニック発作に効く(かも 仮説) サムネイル画像
認知行動療法(CBT)は パニック発作になぜ効くか(仮説)以前、「セロトニン系薬物(SSRIなど)とGABA系薬物(ベンゾジアゼピンなど)は、恐怖の回路を抑えます」←参照して下さい)という内容について書きました。今回は、なぜCBTがパニック障害に効くかという仮説です(前回は簡単に触れただけでした)。扁桃体は不安や恐怖に関係する脳の部分です。PTSDやパニック障害、社交不安障害(SAD)、うつ病に関係しています。扁桃体が...全文を表示
認知行動療法(CBT)は パニック発作になぜ効くか(仮説)


以前、「セロトニン系薬物(SSRIなど)とGABA系薬物(ベンゾジアゼピンなど)は、恐怖の回路を抑えます」←参照して下さい)という内容について書きました。

今回は、なぜCBTがパニック障害に効くかという仮説です(前回は簡単に触れただけでした)。

扁桃体 ギャバ セロトニン1


扁桃体は不安や恐怖に関係する脳の部分です。PTSDやパニック障害、社交不安障害(SAD)、うつ病に関係しています。

扁桃体が興奮すると恐怖や不安のスイッチが入ります。

扁桃体に情動刺激が入る経路には2系統あります。

 ・視床から直接
 ・前頭前野(思考)や海馬(記憶)を経由して

扁桃体からはさまざまなところに情報が伝わります。

 ・青斑核→自律神経の興奮→心拍数増加、血圧上昇 (身体症状)
 ・中脳中心灰白質(PAG)→すくみ行動 (行動)
 ・結合腕傍核→過呼吸、呼吸のタイミングの変調 (呼吸)
 ・網様核→驚愕反応(死の恐怖、制御不能恐怖) (不安)


視床を通って直接扁桃体に入った情動刺激は、扁桃体を興奮させ、身体症状や不安や過呼吸や行動障害を起こします。

認知行動療法(CBT)によって、

 ・前頭前野(内背側前頭前野の糖代謝が増加)が活性化する(パニック障害では、左内背側前頭前野の活動が低下しているという報告があります)。
 ・右海馬、左腹側前帯状回、橋、そして小脳の糖代謝が低下する(パニック障害ではここが過活動になっています)。

CBTによって内背側前頭前野が正常になり、それによって海馬の活動も正常化し、予期不安や広場恐怖を改善することが考えられます。

また、内背側前頭前野からPAGには抑制性の投射経路があり、この経路を介してPAGを抑制するのかもしれません。

<パニック発作の頻度とPAG周辺の糖代謝には正の相関が認められ、PAGが自発性パニック発作の責任部位の可能性があります。この点ではPAGは扁桃の下流にあるだけではないともいえます(扁桃体は状況依存性パニック発作の責任部位と言われています)>

CBTは考え方を変えることで、身体症状や気分を改善する治療法ですが、それが画像診断的にも裏付けられつつあるということではないでしょうか。

(早稲田大学の教授の熊野宏昭さんの研究を参考にしました)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


前頭前野

以前、経頭蓋磁気刺激法(=TMSがなぜ効くか(仮説)について書きました。

うつ病では、扁桃体の働きをコントロールする左の背外側前頭前野(=dlPFC)の血流が落ちていて、この部分をTMSによってここを活性化すれば、扁桃体の過活動状態がおさまり、うつ病の症状が緩和されるのではないかという仮説でした。

<何れにしても前頭前野が扁桃体をコントロールしているわけです。思考が感情をコントロールするわけです>


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以前、「セロトニン系薬物(SSRIなど)とGABA系薬物(ベンゾジアゼピンなど)は、恐怖の回路を抑えます」←参照して下さい)という内容について書きました。

今回は、なぜCBTがパニック障害に効くかという仮説です(前回は簡単に触れただけでした)。

扁桃体 ギャバ セロトニン1


扁桃体は不安や恐怖に関係する脳の部分です。PTSDやパニック障害、社交不安障害(SAD)、うつ病に関係しています。

扁桃体が興奮すると恐怖や不安のスイッチが入ります。

扁桃体に情動刺激が入る経路には2系統あります。

 ・視床から直接
 ・前頭前野(思考)や海馬(記憶)を経由して

扁桃体からはさまざまなところに情報が伝わります。

 ・青斑核→自律神経の興奮→心拍数増加、血圧上昇 (身体症状)
 ・中脳中心灰白質(PAG)→すくみ行動 (行動)
 ・結合腕傍核→過呼吸、呼吸のタイミングの変調 (呼吸)
 ・網様核→驚愕反応(死の恐怖、制御不能恐怖) (不安)


視床を通って直接扁桃体に入った情動刺激は、扁桃体を興奮させ、身体症状や不安や過呼吸や行動障害を起こします。

認知行動療法(CBT)によって、

 ・前頭前野(内背側前頭前野の糖代謝が増加)が活性化する(パニック障害では、左内背側前頭前野の活動が低下しているという報告があります)。
 ・右海馬、左腹側前帯状回、橋、そして小脳の糖代謝が低下する(パニック障害ではここが過活動になっています)。

CBTによって内背側前頭前野が正常になり、それによって海馬の活動も正常化し、予期不安や広場恐怖を改善することが考えられます。

また、内背側前頭前野からPAGには抑制性の投射経路があり、この経路を介してPAGを抑制するのかもしれません。

<パニック発作の頻度とPAG周辺の糖代謝には正の相関が認められ、PAGが自発性パニック発作の責任部位の可能性があります。この点ではPAGは扁桃の下流にあるだけではないともいえます(扁桃体は状況依存性パニック発作の責任部位と言われています)>

CBTは考え方を変えることで、身体症状や気分を改善する治療法ですが、それが画像診断的にも裏付けられつつあるということではないでしょうか。

(早稲田大学の教授の熊野宏昭さんの研究を参考にしました)

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前頭前野

以前、経頭蓋磁気刺激法(=TMSがなぜ効くか(仮説)について書きました。

うつ病では、扁桃体の働きをコントロールする左の背外側前頭前野(=dlPFC)の血流が落ちていて、この部分をTMSによってここを活性化すれば、扁桃体の過活動状態がおさまり、うつ病の症状が緩和されるのではないかという仮説でした。

<何れにしても前頭前野が扁桃体をコントロールしているわけです。思考が感情をコントロールするわけです>


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