さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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「軽症うつ病の治療戦略」 by 張賢徳(帝京大学溝口病院精神神経科教授)

「軽症うつ病の治療戦略」 by 張賢徳(帝京大学溝口病院精神神経科教授) サムネイル画像
軽症うつ病の治療戦略日本人の場合は、軽いうつ状態でも自殺する人が多い。これは、切腹というかつての風習が関係している可能性がある。うつ病は、軽いほど診断は難しい(正常なうつとの境界)。現在のスタンダードは、DSM5という操作的な診断基準によって診断し、うつ病の重症度に応じて治療を行っているけれど、うつ病は均質な病気ではなく症候群なのだから、これには強烈な違和感がある。現在、中等度以上のうつ病の治療の第...全文を表示
軽症うつ病の治療戦略


日本人の場合は、軽いうつ状態でも自殺する人が多い。これは、切腹というかつての風習が関係している可能性がある。

うつ病は、軽いほど診断は難しい(正常なうつとの境界)。

現在のスタンダードは、DSM5という操作的な診断基準によって診断し、うつ病の重症度に応じて治療を行っているけれど、

うつ病は均質な病気ではなく症候群なのだから、これには強烈な違和感がある。

現在、中等度以上のうつ病の治療の第一選択は抗うつ薬として各ガイドラインで一致しているが、

軽症うつ病の治療の第一選択はガイドラインによって異なっている。

 ・NICE(英国)では抗うつ薬は勧められず、心理社会的な治療を行う
 ・APA(米国)では、患者の希望によって抗うつ薬は使える

軽症うつ病で、抗うつ薬を使わない場合には、非薬物療法をきちんと行う必要があり、

また、非薬物療法が奏功しない場合には、薬物療法を試みる必要がある。

DSM5で大うつ病と診断をされる人にも、正常範囲のうつ状態と、病気のうつ状態があり、

その境目がどこかが重要。それに関して、以下の研究がある。

Wakefield JC と Schmitz MF の研究(World Psychiatry 2013年)では、DSMの基準の内、

・精神運動抑制(焦燥)
・無価値感、過剰な罪悪感
・希死念慮、自殺念慮

の3項目が、うつ病の再発率と相関しており、この症状があることが、正常な抑うつと病的な抑うつの境界ではないかとのこと。

また、大うつ病と診断されない軽うつ(閾値下うつ病、気分変調症、適応障害)の場合でも、2ね二条続く場合には抗うつ薬の使用を検討することが、BPAやAPAのガイドラインには記載されている。

以下は張賢徳さんのweb講演(私が座長を務めました)でお聞きした内容の一部です。


<個人的に一番腑に落ちたのは、精神運動抑制が大うつ病の再発率と相関があるということです。かねてより、精神運動抑制がうつ病の最重要な症状と感じていたからです>


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軽症うつ病の治療戦略


日本人の場合は、軽いうつ状態でも自殺する人が多い。これは、切腹というかつての風習が関係している可能性がある。

うつ病は、軽いほど診断は難しい(正常なうつとの境界)。

現在のスタンダードは、DSM5という操作的な診断基準によって診断し、うつ病の重症度に応じて治療を行っているけれど、

うつ病は均質な病気ではなく症候群なのだから、これには強烈な違和感がある。

現在、中等度以上のうつ病の治療の第一選択は抗うつ薬として各ガイドラインで一致しているが、

軽症うつ病の治療の第一選択はガイドラインによって異なっている。

 ・NICE(英国)では抗うつ薬は勧められず、心理社会的な治療を行う
 ・APA(米国)では、患者の希望によって抗うつ薬は使える

軽症うつ病で、抗うつ薬を使わない場合には、非薬物療法をきちんと行う必要があり、

また、非薬物療法が奏功しない場合には、薬物療法を試みる必要がある。

DSM5で大うつ病と診断をされる人にも、正常範囲のうつ状態と、病気のうつ状態があり、

その境目がどこかが重要。それに関して、以下の研究がある。

Wakefield JC と Schmitz MF の研究(World Psychiatry 2013年)では、DSMの基準の内、

・精神運動抑制(焦燥)
・無価値感、過剰な罪悪感
・希死念慮、自殺念慮

の3項目が、うつ病の再発率と相関しており、この症状があることが、正常な抑うつと病的な抑うつの境界ではないかとのこと。

また、大うつ病と診断されない軽うつ(閾値下うつ病、気分変調症、適応障害)の場合でも、2ね二条続く場合には抗うつ薬の使用を検討することが、BPAやAPAのガイドラインには記載されている。

以下は張賢徳さんのweb講演(私が座長を務めました)でお聞きした内容の一部です。


<個人的に一番腑に落ちたのは、精神運動抑制が大うつ病の再発率と相関があるということです。かねてより、精神運動抑制がうつ病の最重要な症状と感じていたからです>


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