さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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あさなぎクリニック・心療内科の
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「正常性バイアスについて」昨日(9月21日)のLIFE+1でお話しした内容 (30%増量)

「正常性バイアスについて」昨日(9月21日)のLIFE+1でお話しした内容 (30%増量) サムネイル画像
「正常性バイアスについて」昨日(9月21日)の「LIFE+1」(FM-FUJI)で主に僕が話した内容です。30%ほど増量しますね。(radikoで聴いていただけると嬉しいですが、TEXTの方が良い方はどうぞ)正常性バイアスとは、認知バイアスの一つです。ここで言う認知とは物事の受け取り方のことで、バイアスとは、考え方の偏りのことです。正常性バイアスとは、異常事態が起きても、それを異常だと思わず、正常だと感じてしまう誤りのこと...全文を表示
「正常性バイアスについて」昨日(9月21日)の「LIFE+1」(FM-FUJI)で主に僕が話した内容です。30%ほど増量しますね。

(radikoで聴いていただけると嬉しいですが、TEXTの方が良い方はどうぞ)

正常性バイアスとは、認知バイアスの一つです。ここで言う認知とは物事の受け取り方のことで、バイアスとは、考え方の偏りのことです。

正常性バイアスとは、異常事態が起きても、それを異常だと思わず、正常だと感じてしまう誤りのことです。

(タイタニックは沈むはずがないとか、銀行は破綻するはずがないとか、原子力は絶対に安全だとか)

主に災害心理学の分野で使われる用語です。ネガティブな情報を無視したり、過小評価することで心の平静を保とうとするメカニズムです。最近よく聞かれるようになりました。

かつては、災害になると人はパニックを起こすと言われていました。たとえば、火事になると、大勢の人が非常口に殺到して、逃げ遅れると。ところが最近は、災害が起きても大したことがないと思って、逃げ遅れる人が増えました。

これは正常性バイアスがその原因です。非常ベルが鳴っても、間違いじゃないかと思って驚かないことってありますよね。

2003年に韓国で起こった地下鉄の火事がそうでした。煙が車内充満しているのにもかかわらず、乗客は座席に座ったままでした。それによって198人もの方がなくなりました。

映画タイタニックでは、船が沈みかけているのに、ボールルームでは楽団が演奏を続けられ、人々はダンスに興じていました。あたかも危険を無視することで、沈没を防ぐことができるかのように。

正常性バイアスはどうして発生するのでしょうか?

その前にまず、不安の役割について考えてみます。

本来動物は、一度危険な目に遭うと、次からはその危険を避けようとして、似たような状況になると不安というアラームが鳴るんです。そのアラームによって、危険な場所を避けるという本能があります。

例えば、小さい時に犬に噛まれた人は、犬が怖がるようになります。大昔、人間が肉食獣と共存していた頃なら、逃げるのは当然ですよね。これは本能に組み込まれています。

実際、小さい子供は犬を怖がります。ですが成長するにつれて犬を怖がらなくなるのは、犬は怖くない経験を何度も繰り返すからです。それによって、犬は怖いという本能の上に、犬は怖くないという新しい本能が上書きされるんです。

これと同様に、人類は長い年月をかけて災害と戦い、その多くを克服してきました。川が氾濫しないように土手を作り、雷が落ちないように避雷針を発明したように。

それによって、かつては怖かった台風や雷を以前ほど恐れなくなりました。

つまり文明の発達によって、不安のアラームとしての価値が薄れたと言えます。それが正常性バイアスの起源ではないかと思います。

その正反対に過度に不安のアラームが作動するのが不安障害です。

不安障害は、本来危険を避けるために発動される不安というアラームが過剰反応することによって起こります。その結果として、動悸や息苦しさが出現するのです。

このように、人間の危険の受け止め方には過度に悲観的な不安障害から、過度に楽観的な正常性バイアスまでグラデーションがあります。
あさなぎクリニックに来られる方で圧倒的に多いのは不安障害の方です。コロナを異常に怖がって一歩も外に出ることができなくなって、日常生活に大きな支障が出るんです。

で、それを克服するためには、「健全な楽観主義」「を取り戻すことが大切だと前々回お話しました。そのためには好きなことをするのが有効だと。

人間は、予期しない出来事に対しては過剰に恐れない、つまり適度に鈍感な方が幸せです。
不安障害の人は、鍵がかかっているかどうかを何度も確認したり、手が汚れていないかと心配して、3時間も4時間も時間も手を洗い続けたりします。

その一方正常性バイアスの人は、コロナなんて風邪と同じだと言って、満員電車にマスクをつけずに乗って、平気で咳をしたり、大声で話すようなことをします。
どちらも極端ですよね。

イメージとしては、不安障害と正常性バイアスの間にあるのが健全な楽観主義です。

災害や緊急事態が起こった際に、正常性バイアスに陥らないためにはどのようにしたらいいでしょうか?

大切なことは、健全な楽観主義によって、状況を冷静に判断して、適切な対応を取ることです。

また、災害が起こる前に予め、災害が起きた時にどのような行動をするか、決めておくことも重要です。

・津波警報が出たら、理由のいかんにかかわらず、一刻も早く高台に逃げるとか。
・川の水位を見るために土手に行くことは絶対にしないとか。
・登山で道に迷ったら、そのまま下らずに、必ず来た道を引き返すとか。
・無条件に多くの人と同じ行動をとらないように気をつけるとか。
・家に帰ったら手を良く洗うとか。

日本人は、世界一不安になりやすい民族です、それはセロトニントランスポーターの性能が他の人種より悪いからです。日本人のコロナによる死者が桁違いに少ないのも、これが原因の一つではないかと思います。

ですが、コロナを恐れすぎると、経済が停滞して、自殺者が増えることも大きな問題です。

―――――――――――――――――

最近感じる最大の正常性バイアスは、「良い大学に入って、良い企業に就職すれば一生安泰だ」と考える人がまだまだ多いことです。終身雇用も、年功序列も、退職金も、年金もなくなった現在、それがいかに危険なことかに気づかなければなりません)

・まさか自分はリストラされるはずはない。
・まさか政府がそんなにひどいことをすることはない。
・まさか、官僚が資料を改ざんするはずがない。etc.

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「正常性バイアスについて」昨日(9月21日)の「LIFE+1」(FM-FUJI)で主に僕が話した内容です。30%ほど増量しますね。

(radikoで聴いていただけると嬉しいですが、TEXTの方が良い方はどうぞ)

正常性バイアスとは、認知バイアスの一つです。ここで言う認知とは物事の受け取り方のことで、バイアスとは、考え方の偏りのことです。

正常性バイアスとは、異常事態が起きても、それを異常だと思わず、正常だと感じてしまう誤りのことです。

(タイタニックは沈むはずがないとか、銀行は破綻するはずがないとか、原子力は絶対に安全だとか)

主に災害心理学の分野で使われる用語です。ネガティブな情報を無視したり、過小評価することで心の平静を保とうとするメカニズムです。最近よく聞かれるようになりました。

かつては、災害になると人はパニックを起こすと言われていました。たとえば、火事になると、大勢の人が非常口に殺到して、逃げ遅れると。ところが最近は、災害が起きても大したことがないと思って、逃げ遅れる人が増えました。

これは正常性バイアスがその原因です。非常ベルが鳴っても、間違いじゃないかと思って驚かないことってありますよね。

2003年に韓国で起こった地下鉄の火事がそうでした。煙が車内充満しているのにもかかわらず、乗客は座席に座ったままでした。それによって198人もの方がなくなりました。

映画タイタニックでは、船が沈みかけているのに、ボールルームでは楽団が演奏を続けられ、人々はダンスに興じていました。あたかも危険を無視することで、沈没を防ぐことができるかのように。

正常性バイアスはどうして発生するのでしょうか?

その前にまず、不安の役割について考えてみます。

本来動物は、一度危険な目に遭うと、次からはその危険を避けようとして、似たような状況になると不安というアラームが鳴るんです。そのアラームによって、危険な場所を避けるという本能があります。

例えば、小さい時に犬に噛まれた人は、犬が怖がるようになります。大昔、人間が肉食獣と共存していた頃なら、逃げるのは当然ですよね。これは本能に組み込まれています。

実際、小さい子供は犬を怖がります。ですが成長するにつれて犬を怖がらなくなるのは、犬は怖くない経験を何度も繰り返すからです。それによって、犬は怖いという本能の上に、犬は怖くないという新しい本能が上書きされるんです。

これと同様に、人類は長い年月をかけて災害と戦い、その多くを克服してきました。川が氾濫しないように土手を作り、雷が落ちないように避雷針を発明したように。

それによって、かつては怖かった台風や雷を以前ほど恐れなくなりました。

つまり文明の発達によって、不安のアラームとしての価値が薄れたと言えます。それが正常性バイアスの起源ではないかと思います。

その正反対に過度に不安のアラームが作動するのが不安障害です。

不安障害は、本来危険を避けるために発動される不安というアラームが過剰反応することによって起こります。その結果として、動悸や息苦しさが出現するのです。

このように、人間の危険の受け止め方には過度に悲観的な不安障害から、過度に楽観的な正常性バイアスまでグラデーションがあります。
あさなぎクリニックに来られる方で圧倒的に多いのは不安障害の方です。コロナを異常に怖がって一歩も外に出ることができなくなって、日常生活に大きな支障が出るんです。

で、それを克服するためには、「健全な楽観主義」「を取り戻すことが大切だと前々回お話しました。そのためには好きなことをするのが有効だと。

人間は、予期しない出来事に対しては過剰に恐れない、つまり適度に鈍感な方が幸せです。
不安障害の人は、鍵がかかっているかどうかを何度も確認したり、手が汚れていないかと心配して、3時間も4時間も時間も手を洗い続けたりします。

その一方正常性バイアスの人は、コロナなんて風邪と同じだと言って、満員電車にマスクをつけずに乗って、平気で咳をしたり、大声で話すようなことをします。
どちらも極端ですよね。

イメージとしては、不安障害と正常性バイアスの間にあるのが健全な楽観主義です。

災害や緊急事態が起こった際に、正常性バイアスに陥らないためにはどのようにしたらいいでしょうか?

大切なことは、健全な楽観主義によって、状況を冷静に判断して、適切な対応を取ることです。

また、災害が起こる前に予め、災害が起きた時にどのような行動をするか、決めておくことも重要です。

・津波警報が出たら、理由のいかんにかかわらず、一刻も早く高台に逃げるとか。
・川の水位を見るために土手に行くことは絶対にしないとか。
・登山で道に迷ったら、そのまま下らずに、必ず来た道を引き返すとか。
・無条件に多くの人と同じ行動をとらないように気をつけるとか。
・家に帰ったら手を良く洗うとか。

日本人は、世界一不安になりやすい民族です、それはセロトニントランスポーターの性能が他の人種より悪いからです。日本人のコロナによる死者が桁違いに少ないのも、これが原因の一つではないかと思います。

ですが、コロナを恐れすぎると、経済が停滞して、自殺者が増えることも大きな問題です。

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最近感じる最大の正常性バイアスは、「良い大学に入って、良い企業に就職すれば一生安泰だ」と考える人がまだまだ多いことです。終身雇用も、年功序列も、退職金も、年金もなくなった現在、それがいかに危険なことかに気づかなければなりません)

・まさか自分はリストラされるはずはない。
・まさか政府がそんなにひどいことをすることはない。
・まさか、官僚が資料を改ざんするはずがない。etc.

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