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「ユマニチュード」について by 本田美和子 「ユマニチュードという革命」

「優しさを伝えるケア技術」 by 本田美和子さん(東京医療センター) 日精診研修会にて(2017年)



ユマニチュードという

講演の冒頭で、泣き叫んで抵抗する声だけが流れました。

レイプされる女性を思わせる声でした。

次に映像が映されました。

認知症の方にシャワー浴させているシーンでした。医療の現場で日常的に行われていることに気づいて驚きました。

ユマニチュードという技法によって、その女性は喜んでシャワーを浴びるようになりました。魔法としか思えませんでした。

本田さんはそれを魔法と呼んで欲しくないとおっしゃっていましたが。

ユマニチュードは、フランスで生まれたケアの技法です。

ケアを受ける人に「あなたは大切な存在です」、「私はあなたと一緒にいます」、「あなたと一緒にいると私は嬉しいです」というメッセージを届ける技法です。相手が無理なく理解できる方法で。

従来の「ケア」を根本から変える技法です。

ケアは修道院で始まりました。キリスト教の思想が根底にあります。その思想とは奉仕や慈善です。天国に行くためには自己犠牲と苦しみが必須です。

そのためには与えるだけで受け取ってはなりません。その精神は次第にケアを行う人々を疲弊させて、一方的なケアを生みました。

一方的に与える関係は、相手に対して力を振うことでもあります(「ボランティアでやってあげているんだから我慢しろ」というような)。

一般の人は一方的に裸にされて、ゴシゴシ体を洗われたら嫌ですよね。転んで骨折しないようにという理由で一日中ベッドや車イスに縛りつけられるなんて絶対嫌ですよね。

ユマニチュードは相手の人としての尊厳を重んじます。それは相手に愛を与えることです。

その一方でユマニチュードは患者さんから愛情を受け取ることを自分に許可します。喜んでもらうことで相手からエネルギーをもらうことを許すわけです。

一方的なケアではありません。

それによってケアをする人々の燃えつきが減ります。患者さんのためにやっていると自分を納得させて、患者さんお嫌がることをするという欺瞞から解放されるからです。自分が本当に思っていることを言えるようになるからです

その具体的な技法の根幹は、

見る・話す・触れる・立つことを援助するの4つを、一連のシークエンスとして行うことです。

見る:同じ高さで、正面から、できるだけ近づいて、長く話す。
話す:低めのトーンで優しく、ポジティブな言葉で、途切れなく話す
触れる:広い面積を、ゆっくりなでるように、優しく触る。ヘリコプターではなく、飛行機が離着陸するように。
立つこと:人間は立つことで人間になります。

こう書くと、何一つ目新しいものはなさそうに思えます(その真価をお伝えする力がなくて申し訳ありません)。

講演には実際の場面の映像が使われました。

それをすぐに実践することは簡単ではありません。そこで行われている働きかけは、オーバーで作為的に見えます。少なくとも現代日本の平均的な医療の現場では。偽善的に感じる人もいるかもしれません。

ですが、プロフェッショナルの自覚を持ち、恥ずかしさを克服して相手に近づき、自分の自由な感情を正直に表現して行動することで、患者さんは見違えるほど元気になります。

これは革命です。


<日精診チーム医療・地域リハビリテーション研修会・神奈川大会(2017年11月19日)の教育講演でした。「ユマニチュードという革命」、「ユマニチュード入門」をお読みいただけたらと思います>


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LAIの外来使用に向けて。LaIは坑精神病薬の持続性の注射剤です。

LAIに関する講演を聞きました。


統合失調症の治療に使う月に一度打つ注射です。

利点は、飲み忘れがないことです。

統合失調症の患者さんの3割が治療を中断しているという報告があります。また、外来に来ていても3割が薬を飲んでいません。

つまりきちんと薬を飲んでいる人は約半数ということになります。

初発の患者さんで治療して良くなった方が服薬を中断すると、約85%が再発します。

経口薬での治療ではかなりの方が再発するわけです。

発病5年以内の再発はその後の予後を悪くすることが分かっています。

それを防ぐのがLAIです。

ですがいくつか問題があります。

LAIの使用例のほとんどが入院を必要とする重症の患者さんなこともその一つです。

統合失調症は近年軽症化しています。病院とクリニックでは来院する患者さんの重症度がまるで違います。

クリニックに来院する方は軽い方がほとんどです。

もっとも軽いと直ぐに良くなるので、気楽に服薬を止める方も多く、再発するというジレンマがあります。

今のところLAIの規格は入院している患者さんに適した量です。外来に初診で来る患者さんにはおそらくその半量で十分でしょう。

薬が安ければ半分破棄すれば済みますが、LAIは一本何万円もするのでそれは出来ません。

ということは、外来患者さんにLAIを本気で普及させるには、小さい剤型を作ることが必要です。

製薬会社にとってはジレンマでしょう。小さい剤型を出すと売り上げが下がりかねないからです。

ということですから、これは製薬企業の姿勢に関わる問題だと思います。


〈もちろん、病識があって飲み忘れがない半数の患者さんには必要ありません。注射は痛いですしね〉

不眠症の治し方

不眠症を治すには、


眠くなるまで眠ろうとしないこと。

一晩くらい眠らなくても何とかなりますよ。


<僕は、眠る時には起きてるスイッチを切ることにしています。眠りのスイッチを押すのではなく>



主観的 客観的 観念的

主観的 客観的 観念的


精神科・心療内科の外来で、多くの患者さんは「主観的」に症状を訴えます。

主観的とは、自分ひとりのものの見方・感じ方によって物事を判断することです。もちろん患者さんのほとんどは、自分の病気しか知らないので主観的にならざるを得ません。

観念的に症状の原因を分析して来る方も少数います。

観念的とは、具体的な事実に基づかず、頭の中だけで物事を理解しようとすることです。頭でっかちな考えです。少数の症例を丁寧に診る医師にこういう方がいます。勉強熱心な医学部の学生などもそうなりやすいかもしれません。心理の専門家にもこの傾向があるでしょう。

客観的な見方は、多くの(特に身体科の)医師の専売特許です。エビデンスを重視します。でもあまりに客観的な見方だと、個人としての患者さんを見ることができなくなります。

この3つのバランスが重要ではないかと思います。あるいは、同時にこの3つの異なった見方をすることが大切だと思います。

患者さんの話を主観的に話を聞き、それを天井のあたりから客観的に眺めると同時に、話の内容を抽象化して仮説を組み立てるわけです。



摂食障害の外在化

摂食障害の外在化


過食症



拒食症も過食症も病気です。

ですが、

風邪がウイルスによって(外から)もたらされる病気なのとは異なり、

原因がその人の内部にあるかのように受け取られがちです。

なので、病気にもかかわらずその人が責められることになります。

(これはうつ病も同様です。病気なのに、気持ちの問題だと言われたりします)

摂食障害の治療で大切なのは、病気の外在化です。

外在化とは病気をその人から切り離して考える方法です。

拒食症という病気がその人を食べなくさせているので、その病気を治せば普通に食べられるようになるわけです。

悪いのは病気なのであって、その人ではありません。

罪を憎んで人を憎まずです。

病気の人を責めることで病気は治りません。


<グレーゾーンは浮気性(浮気症)です。浮気しやすい遺伝子多型があるので病気の一種とも言えますが・・・>



プロフィール

ドクターサナギ

Author:ドクターサナギ
「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

本を読んだり、音楽を聴いたり、昔の映画を見るのが好きです。どうぞよろしく。

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