こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも 

医療にとって本質的で極めて重要なこと。

医療にとって、基本的で、本質的で、極めて重要なことは、


不要な、あるいは有害な治療を行って、病気でない人を病人にしてはいけない、ということです。

ベンゾジアゼピン系(BZD)抗不安薬を、頓服以外で長期に処方することがこれにあたります。ほぼ確実に薬物依存になるからです(睡眠薬の場合には代替薬があるのでまだ止められますが)。

<「一度でも飲むと効き味を覚えて止められなくなるので、できる限り使わない!」とおっしゃった専門家がいます。これにつきると思います>

飲む必要のなかった薬を、飲み続けるようにさせる(=「毎食後3回服用」などの処方箋を漫然と書くことです)のは犯罪にも等しい行為だと思います。


ベンゾジアゼピン系 依存



厚労省はようやく重い腰を上げて、常用量依存があるので、長期投与を避けるように明記するように製薬企業に指示しました(H29年3月)。

(分かりやすい言葉で言い換えれば、決められた量を守って飲んでいても、依存症=病気になる、ということです。端的に言うならば、定められた用法用量が不適切ということだと思います)

厚労省は製薬企業に指導して、服用を止めるための小さな剤型を作らせるべきです(デパスの0.25ミリを作ったように)。現在は薬局の手を煩わせて割ってもらい、半錠や4分の1錠にしています(できればSSRIにも)。

そもそもアルプラゾラムの0.8ミリ錠は不要です(100害しかありません。もちろんデパスの1ミリ錠も)。


<BZDに関しては繰り返し書いています。ブログ内検索で調べていただければと思います>

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「ストレスと闘う遺伝子が幼児虐待で変化する」  by Patrick O McGowanら Nature Neuroscience 2009年 (Childhood abuse permanently modifies stress genes. Nature. February 23, 2009. Nature)

小さい頃に虐待を受けると、



幼児虐待


ストレスと戦えなくなることが明らかにされました。


幼児期に虐待のあった自殺者と、虐待のなかった自殺者、自殺以外で亡くなった人を調べたところ、

 ・虐待のあった自殺者は、脳内のグルココルチコイド受容体のmRNA量が低下していました。

(グルココルチコイド受容体は、HPA系を通じてストレス反応に関わる物質です。これはNR3C1遺伝子がエピジェネティックな変化を受けることによっておきました)。

 ・ラットでは、明らかにされていましたが、人間でもそうだったわけです。

 ・この研究によって、幼児期の虐待は成人後のストレス応答に影響を及ぼす可能性があることが示唆されました。


<以前、「思春期のストレスは、グルココルチコイドを介してドーパミン作動性ニューロンをエピジェネティックに修飾する」by 丹羽美苗(ジョンス・ホプキンス大学)2013年、という研究について書きました。これはその先行研究の一つです>



不倫遺伝子   DRD4の遺伝子多型  by Justin R. Garcia さんら

人間の性行為は、


集団によって大きく変わります。これまで遺伝子多型による性行動の違いを詳しく調べた研究はありませんでした。

ドーパミン受容体の違いと不倫をの関係を調べました。

詳しくは、DRD4遺伝子多型です。

181人の若者の性行為の履歴と遺伝子を調べたところ、


DRD4 不倫1
( Percent who report promiscuous sexual experiences, by DRD4 genotype group.)


DRD4 hurinn 2
(Percent who report extra-relationship sexual experiences, by DRD4 genotype group.)


DRD4 不倫2
( Number of extra-relationship sexual partners, by DRD4 genotype group)


7反復対立遺伝子(7R+)の人は、浮気をする率が高く、一夜限りの関係を結ぶ傾向がありました。


Associations between Dopamine D4 Receptor Gene Variation with Both Infidelity and Sexual Promiscuity
by Justin R. Garcia  November 30, 2010 



ADHD と DMN by 大竹一史(山形大学の「脳波に基づくDMNから迫る発達障害の神経基盤」という論文の一部要約です)

ADHD(注意欠如多動性障害の原因は、



DMN3.jpg


ドーパミンの異常(「ADHD Graceの仮説」)に加えて、最近ではDMN(デフォルトモードネットワーク)の異常ではないかと言われています。

さまざまな研究があります。


<f-MRI(機能的MRI)による研究>

※Castellanos FXさんら(2008年)の研究では、

ADHDでは、安静時の前頭ー後頭のつながりが弱く、

これがワーキングメモリーや注意の障害に関係しているのでは、と推測しています。

※Uddinら(2008年)の研究でも、前頭ー後頭の機能的結合の低下が、ADHDの実行機能障害の原因だと推測しています。



<EEG(脳波)による研究>

DMNは、自発的な低周波律動によって同期される脳のパターンなので、

安静時のVLFO(very low frequency oscillation:超低周波律動)をEEGで測定することでことで調べられます。

※Helpsらの研究その1(2008年):ADHDの人のVLFOは定型発達者とは違うのではないか?

(心理検査で、被験者を低ADHD傾向群と、高ADHD傾向群に分けました)

 ・低ADHD傾向群:前頭ー後頭のVLFOが時間的に安定していて、一貫したパターンを示しました。
 ・高ADHD傾向群:VLFOが低下(特に不注意の傾向が高い人)していました。

※Helpsらの研究その2(2010年):デフォルトモード干渉仮説(DMI:default mode interference hypothesis)の検証研究です。
 
   DMIとは、DMNの活動が干渉を受けて減衰することで、課題遂行に必要な脳活動に切り替わることです。
   ADHDのDMI仮説とは、ADHDでは、安静→課題遂行時にDMNが減衰されないので、注意障害になるという説です。

 結果

   ADHD児群では、

     ・安静時のVLF(very low frequency:超低周波数帯域)が低下しており、
     ・安静→課題時に、VLFの減衰も見られませんでした。


※Broydらの研究(2011年):成人のADHDと対照群で安静時と課題遂行時のVLFを測定しました。

  ともに安静→課題遂行で、注意起因性のVLF EEGの不活低下がみられました(mPFC、precuneus/PCC、TL:側頭葉)が、

     ・低ADHD傾向群:mPFCが最も顕著に賦活低下し、
     ・高ADHD傾向群:TLが最も顕著に賦活低下し、mPFCの賦活低下が不十分でした。


まとめ

  ・安静状態から課題への移行時に、前頭から後頭にかけての正中線上の領域のVLF EEGパワー値の賦活低下が起こり、
 
  ・この賦活低下は、注意課題の成績と相関し、

  ・ADHDの傾向が高い人では、VLF EEGの減衰幅が小さい。

  ・ADHDでは、前頭―後頭のDMNの機能的結合が低下している。

  ・ADHD児が示す行動特徴(注意障害)の原因は、行動する際だけでなく、活動の前にもある。

  ・とすれば、安静時のEEG-DMN検査はADHDの生物学的なマーカーになる可能性がある。


<大竹一史さん・山形大学の「脳波に基づくDMNから迫る発達障害の神経基盤」という論文の一部要約です。脳波を用いた研究にも注目ですね。ADHDとDMNの研究はとても魅力的ですが、統合失調症やASDとの関連に比べると、まだ未知数な部分が多いのではないでしょうか>


「DMN(デフォルトモードネットワーク)を抑制できないと注意障害が起こる」  by  加藤元一郎 (慶應大学)

人間の脳はシングルタスクしかできません(できるのは千手観音と、聖徳太子くらいです)。



千手観音


マルチタスクを行っているように見える人は、早い速度で脳を切り替えています。

(話を聞く→(DMN)→パソコンを打つ→(DMN)→話を聞く→(DMN)→検索する→(DMN)→・・・・・)

マルチタスクは能率がいいように見えますが、シングルタスクに集中する人に比べて、情報の取捨選択が苦手で、タスクの切り替えも下手です(by Clifford Nass・スタンフォード大学・2008年)。

DMNの抑制がしっかりとできないとタスクの切り替えができません。その結果注意障害が起こります。

一つのことに注意を集中できない人は、周囲に気が散るものを置かないことが大切です。


ADHD(注意欠如多動性障害)の人は、何かに注意を集中しているように見えても、DMNがしっかり抑制されずに働いていて、頭の中で別のことを考えたり、DMNのスイッチが頻回に入って、別のタスクに目移りするのでしょうか>



プロフィール

ドクターサナギ

Author:ドクターサナギ
「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

本を読んだり、音楽を聴いたり、昔の映画を見るのが好きです。どうぞよろしく。

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