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「SWR(sharp wave ripple)が、海馬をクールダウンする」 by 池谷裕二さん(東京大学) 2018年2月8日のScience誌

スマホを使っていると、


スマホ クールダウン

クールダウンしてください、と命令されます。

脳もそうです。

海馬は学習や記憶に関わっていますが、神経細胞の数には限りがあるので、そのままにしていると飽和してしまいます。

それをクールダウンするメカニズムが分かりました。


シャープ・ウェイブ・リップル



それは、眠っている間に海馬から発生する「sharp wave ripple(以下、SWR)」という脳波でした(rippleはさざ波のことです)。

SWRによって、睡眠中にシナプスの繋がり度合いが弱まりましたが、

眠る直前に覚えた記憶のつながりは弱まりませんでした(長期増強)。

それによって、新しいことを覚えるための記憶のキャパシティが増えます。

眠ることで、不要な記憶が消え、必要な記憶が鮮明になるわけです。


<眠らなきゃ記憶が定着しないと言われていましたが、こういうメカニズムだったんですね>


雑誌:Science(2月8日オンライン版)
題目:Hippocampal Ripples Downregulate Synapses
著者:Norimoto, H., Makino, K., Gao, M., Shikano, Y., Okamoto, K., Ishikawa, T., Sasaki, T., Hioki, H., Fujisawa, S., Ikegaya, Y.


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「オレキシンとPTSD」  by 筑波大学  2017年11月20日・プレスリリース

筑波大学は、オレキシンが恐怖を感じるレベルを調節し、

PTSD(心的外傷後ストレス障害)で見られる「恐怖記憶の汎化」に関与していることを発表しました。

金沢大学、理化学研究所、新潟大学との共同研究です。(「オレキシンについて」もご参照ください)



「恐怖記憶の汎化」とは、恐怖に関連した音や匂いなどと似た感覚が恐怖を引き起こすことです。これはPTSDの典型的な症状です。

 ・レイプ犯が乗っていたのと似た車、その人に似た男性、その人のつけていた整髪料やタバコの匂いが恐怖をもたらす人。
 ・事故にあったのと似た交差点が怖くて運転できない人。
 
研究グループは、遺伝子改変マウスを用いて、

オレキシンが脳幹の青斑核でNAニューロン(ノルアドレナリンを作り出す神経細胞)を刺激し、恐怖に関連した行動を調節していることを発見しました。

また、恐怖は扁桃体に記憶されていますが、オレキシンによる刺激をうけたNAニューロンは扁桃体に作用して恐怖記憶を汎化させ、恐怖の応答を強めることが分かりました。

   オレキシン→青斑核のNAニューロン→扁桃体→恐怖の汎化

オレキシンニューロン
(LC:青斑核)


ということは、

オレキシンの働きを妨げればPTSDの症状やパニック発作を緩和できる可能性があるということです。睡眠障害の治療に使われているオレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント)が効くかもしれません。極めて画期的な発見です。


「眠りのスイッチと起床のスイッチ」 オレキシンについて

「眠る」ことと「起きている」ことは別です。


オレキシンン 覚醒


(今回は、エビデンスを無視した勝手な意見が混じっています。あしからず)


起床



「仕事をしない」のと「遊ぶ」のが別のように。

(仕事をするーぼーっとしているー遊ぶ)

「眠り」が浅くなって眠りが終わっても、「起床のスイッチ」が入らないと起きません。

(眠る―微睡んでいるー起きている)

不安なことがある方は、夜中に目が覚めた際に、すぐに「起床のスイッチ」が入り、目がパチッと覚めます。すると日中の嫌なことを考えだしてしまい、また眠ることができなくなります。


睡眠ステージ


眠りが浅くなっても、「起床のスイッチ」が入らなければ(=微睡んでいる状態)、次の眠気の波が来たらまた眠れるので、

そんな人は夜中に目が覚めても、悶々と苦しまなくて済みます。

オレキシンは「起床のスイッチ」を押す物質です。

スボレキサント(オレキシン受容体拮抗薬)はオレキシンの力を弱めるので、夜中に目が覚めても「起床のスイッチ」が押されず、また眠れます。

オレキシン受容体拮抗薬が、漠然とした不安による不眠に効果があるのはそれだからかもしれません(スボレキサントで寝汗が減るという方がいます)。

そのメカニズムは中途覚醒した場合の再入眠を妨げないからではないでしょうか。


<休日の朝などに、眠りが終わったことに気づきつつ、目を開けないでいるのって幸せじゃないですか? 目を開けるとオレキシンが分泌されたり、メラトニンの分泌が減って目が覚めちゃいますからね>


「ベリー・ロング・グッバイ」  若年性アルツハイマー病

ロング・グッドバイ


s_アルツハイマー病 ロング・グッドバイ


アメリカでは認知症のことをロング・グッドバイ(長いお別れ)と呼びます。

(レイモンド・チャンドラーの小説は「ザ・ロング・グッドバイ」でした。矢作俊彦さんの「ロング・グッドバイはLong ではなく、Wrongでした)

長い月日をかけて、ゆっくりゆっくりとお別れしていくからです。

とするならば、若年性のアルツハイマー病の場合はさらに長い年月をかけて遠ざかっていくと言えるでしょう。

ベリー・ロング・グッバイです。

長い年月をかけて、徐々に物忘れが目立つようになり、月日の感覚が分からなくなり、計算が苦手になり、いずれ言葉が出てきにくくなります。

若年性アルツハイマーの方の多くは仕事や家事に従事しています。仕事のミスが増えると、ショックを受け、イライラしたり不安になったりするかもしれません。

それが高じると、BPRSと呼ばれる「行動・心理症状」現れることがあります。憂うつになったり、疑り深くなったり、怒りっぽくなったりするのがその症状です。

大切なのは安心できる環境で生活することです。ご本人の気持ちに寄り添うながら、時間や気落ちに余裕を持って接することが大切です。

ですが支援には必ず限界があります。そんな時にはこの言葉をつぶやきましょう。

「できることをできるだけ」  by 鈴木央


<鈴木内科医院の鈴木央さんの講演を聴きました。在宅医療の立場から高齢者自殺対策についてお話しされました。2018年2月18日・ヤクルトホールにて>



「認知症になっても人生は輝く」  by 新井平伊

s_新井平伊先生お写真


新井平伊先生をお招きして、市民向け講演会を開催します。山梨県精神科診療所協会、甲府市医師会、甲府市の共催です。

新井さんは、日本で初めて「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設しました。アルツハイマー病研究者世界TOP100に選出された名医でもあります。

日時: H30年2月24日 14:00~16:00

会場: アピオ甲府

講師: 新井平伊教授 


 「私の役目は、認知症でもいかに人生を楽しんで全うするかを考えながら、一緒に戦っていくというチームを、患者さんとご家族とともに作ることです」  by 新井平伊


参加費は無料で、申し込みも不要です。認知症をご自分のこととして考えるためのいい機会です。ぜひお越しください。


プロフィール

ドクターサナギ

Author:ドクターサナギ
「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

本を読んだり、音楽を聴いたり、昔の映画を見るのが好きです。どうぞよろしく。

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