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アルコール依存とギャンブル依存

アルコール依存とギャンブル依存


この両者の最大の違いは、アルコールは報酬系をアルコールが直接的に刺激するけれど、


ギャンブルは報酬系を間接的に刺激することです。

過食、浪費、リストカットなども間接的に報酬系を刺激します(おそらく)。

そこには(おそらく)前頭葉が関係しています。

ギャンブルとは、大きなリスクを取って、大きなリターンを得ることです。これが、人間をサルから進化させた原動力の一つではないでしょうか。

果実や木の実などだけ食べていればリスクはありませんが、偶然肉を食べると、脳が痺れるように美味しかったのでしょう。そこで、肉食獣のように人間は動物を仕留めるようになりました。

肉食のリスクは草食とは比較にならないほど大きいですよね。

現在社会でもリスクを取らなければ大きなリターンは得られません。ですが、運を天に任せてサイコロを振るようなリスクの取り方をしたら、胴元の思う壺です。

いわゆるギャンブルは、胴元が、あたかも誰でも簡単にお金が儲けられると騙すことによって成立しています。

ですが実際には、儲けるのは胴元かイカサマ師だけです。

本来は、資金を用意し、綿密な計画を立てて、その計画を実行することで、資産を増やすことが必要です。これが投資であり、起業です。ですがこれって堅実な人はその一歩が踏み出せないんですよね。ここにギャンブルに親和的な性格が関わってくるのだと思います。

新奇性を求め、すぐに行動に移せる性格です。もちろん、リスクを正しく見極める能力が必要です。



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日本人は起業する人が少ないです。

TEA 起業 (1)
GEM(Global Entrepreneurship Monitor:グローバル・アントレプレナーシップ・モニター)が調査したTEA(企業活動率)です。


日本人は起業する人が少ないです。

そりゃあそうですよ。高度経済成長の頃は、終身雇用で1億総中流だったので、リスクを取って起業しなくても幸せになれたのですから。

そしてそれを後押しするように、打たれないように、出すぎない人を教育によって作り出してきたのですから。

ですが、その根幹の終身雇用が終焉を迎えているのです。

戦前はサラリーマンはエリートで、多くの人は農林漁業や、小さな商店を営んでいました。

またそうなっていけばいいんだと思います。

起業なんて大げさに考えずに、小商いでいいじゃないですか。




依存とは

依存とはなんでしょう。


・あるもの(こと)を渇望して、
・手に入れる行動が抑えられず、
・それを止めると離脱症状(不安、集中困難、イライラ、不眠など)が起こり、
・それが徐々にエスカレート(耐性がつくので)し、
・それ以外に関心がなくなり、
・それによって生活に支障があるのに続けてしまう

ことです。


<アルコール、過食、買い物、万引き、リストカット、セックス、ギャンブル、ゲーム、SNSなど様々なものでなります>

「ギャンブル依存症は薬で治るかもしれません」 by ミネソタ大学

ギャンブル依存症は薬で治るかもしれません。

Multicenter Investigation of the Opioid Antagonist Nalmefene in the Treatment of Pathological Gambling
                          Am J Psychiatry 2006; 163:303–312)



ギャンブル依存症(病的賭博)にナルメフェン(オピオイド拮抗薬:アルコール依存症の治療薬。側坐核のドーパミンの分泌を減らす作用。商品名セリンクロ)が効くかどうかを調べました。

207例(男性117例、女性90例)のギャンブル依存症患者さんを対象にして、16週にわたって実施した多施設共同プラセボ対照二重盲検試験です。

その結果、

ナルメフェンを投与された方は、病理学的ギャンブルの重症度が統計的に有意に低下しましました。

ナルメフェン(商品名:セリンクロ)は、アルコール依存を専門とする医療機関にか処方できません。早く一般の精神科医にも使えるようになるといいのですが。どこかから圧力でもかかっているのでしょうか。不思議でたまりません。


<詳しくは、原典を当たってください。ナルメフェンはギャンブル依存への保険適用はありません。念のため>

ギャンブル依存(病的賭博)について。

ギャンブル依存について


精神疾患患者数2



この調査では精神疾患の患者さんの総数は320万人です(H23年)。ちなみにうつ病が95万人です。

一方ギャンブル依存の患者数は536万人です(厚労省研究班による推計・2014年8月発表)

ギャンブル依存の人は、実際には精神疾患の全患者数よりはるかに多いです(もっとも、ベンゾジアゼピン系の常用量依存者も水面下に隠れていますが)。

ギャンブル依存症は国民の4.8%。男性の8.8%。女子の1.8%に及びます。めちゃくちゃ多い疾患です。もちろんギャンブル依存症の予備軍はさらに多いです。

実は2008年にも調査したのですが、あまりの数に恐れをなして、研究班は結果の公表を控えたのだそうです。カジノ法案を通したい政府筋から圧力がかかっているんじゃないかと勘繰りますよね。

(ですからこの調査結果は画期的です。それまでその必要性が叫ばれていたのに、一切実施されなかったのですから)


ギャンブル依存症 (2)


日本は世界一のギャンブル国家です。もちろん依存症の患者の数も圧倒的に多いです。

日本にはギャンブルマシンが421万台もあるからです。世界中のギャンブルマシンが701万台ですから、なんとその60%を占めています。世界中の6割ですよ!!!

パチンコ店の数はローソンとほぼ同数だと聞いたことがあります(1万店あまり。2016年以降射幸性の高い機種が禁止され、減少しているものの)。

その理由は、政府がパチンコ・スロットをギャンブルではなく遊戯と偽っているからです。ギャンブルじゃないので、規制が緩いんです。

これは警察から何万人もの天下りをパチンコ業界が受け入れてきたことによって成立しています(4万7千人という数字を読んだことがあります。保通協などの団体、ホール、景品交換所、台の製造会社、などへのです)。


パチンコCM (1)


パチンコ店は駅前に堂々とあるし。しかもその隣にはATMやサラ金があるし。新聞には新装開店のチラシが入るし、テレビでCMをバンバン流してますからね。

(タバコに関してマスコミが厳しいのは、タバコのCMが規制されたからだと思います。一方、サラ金や宗教のCM規制は緩くなり、マスコミは批判できなくなりました)

パチンコは20兆円産業です(かつては30兆円産業でした)。ギャンブル全体では30兆円になります(国家予算が100兆円ですよ)。

これじゃあ、マスコミはギャンブル依存の害を追求するのに及び腰になりますよね。


自衛隊 (1)


ソープランドでは日常的に売春を行っていますが、これを自由恋愛と称するのと同じです。あるいは自衛隊を軍隊でないと言い張るのと。

(売春やギャンブルが絶対にいけないと言っているわけではありません。世の中には一定数の「悪場所」が必要です)

と言うわけで、日本は諸外国と比べて、ギャンブルに対する規制が著しく緩いわけです。老若男女、お金持ちと貧乏の別なく、万人にギャンブルへの門戸が開かれていると言ってもいいでしょう。

海外のカジノは富豪がやるイメージですが、パチンコやスロットは貧困層をターゲットにしたビジネスだと思います。公営ギャンブルにしてもそうですが、徴税の逆進性(低所得者から多く税金を取る)があるように思います。


パチンコ (1)


(東京オリンピックで日本に来る外国人は、街のあちこちにあるカジノに目を丸くするでしょう)

個人的には僕が最初にパチンコを覚えたのは、父に連れられて行った小学校の頃です。当時はよく小さな子供も来ていました。中学では友達同士で。めちゃくちゃ規制が緩いですよね。

(もっとも当時は左手に玉を握って、左手の親指で球を台に押し入れて、右手の親指でハンドルをはじきました。天の穴を狙って。換金率もずっと少なかったと思います。それに幸運にも、ギャンブルに対する興味がなかったので病気にならずに済みましたが)

言わずもがなですが、ギャンブルは刑法(第185条:賭博罪)で禁止されています。お金を浪費し、働く気がなくなり、お金のために犯罪を働く人も出てくるからです。

ギャンブルの種類はパチンコ・スロットが大半ですが、ネット販売によって競馬も微増しているような気がします。

さなぎクリニックに来られる依存症の患者さんでは、アルコールと並んでギャンブルが多いですが、自己破産は圧倒的にギャンブル依存(というかパチンコ・スロット)の方です。

20年ほど前までは、夜の街の女性にお金をつぎ込んで破産する方もいましたが、最近ではめったに見かけません。

以下は、ギャンブル依存症の第一人者・森山成彬医師(帚木蓬生さん)の報告です。

ギャンブルを始めた年齢は13才~45才で平均は20.2才です。多くの方は大学入学と共に始めます。

借金を開始するのが、ギャンブルを始めて7~8年後で、これはアルコール依存の3倍のスピードです(アルコールは20~25年)。

1日に使う額は、1~10万円の人が多く、だいたい10万円弱を勝ったり負けたりしています。

これまでギャンブルで浪費した金額は平均すると1293万円(50万~1億1000万)です。

森山さんがおっしゃるには、ギャンブル依存症者の特徴は、嘘と借金とのことです。それが配偶者を追い詰めます。なので、ギャンブル依存の治療には配偶者の治療も欠かせません。


サル進化 (1)


ギャンブルは人間だけがします。ということは、ギャンブル的な思考(ハイリスク・ハイリターン、あるいは「思いがけない報酬を強く記憶し、同じ行為を繰り返すように指令を出す脳の傾向」by帚木蓬生「ギャンブル依存とたたかう」)は、

サルから人間への進化に必要だったのでしょう。ですが、現代はテクノロジーの発達よってギャンブルには以前の何倍ものレバレッジ(梃子の力)が加わるようになり、病気になったのでしょう。

以前はギャンブル依存には>ドーパミンと関係していると言われていましたが、最近ではノルアドレナリンの関与に注目が集まっています。

<いつものことですが、ギャンブル依存症について、GAとギャマノンの集まりでお話をすることになり、付け焼刃で勉強をしています。ギャンブル依存について、精神科医の関心が少ないことも大きな問題だと思います>


プロフィール

ドクターサナギ

Author:ドクターサナギ
「あさなぎクリニック」心療内科・精神科・メンタルクリニックの医師です。反田克彦(そりた・かつひこ)と申します。クリニックは山梨県甲府市の蓬沢町にあります。国道20号(甲府バイパス)の近くで、石和や八代(笛吹市)や甲州市からも、大月や都留、南アルプス市や韮崎、北杜市からのアクセスも良好です。臨床心理士によるカウンセリング、うつ病の復職支援施設・リワークポルト、あさなぎカフェも併設されています。

本を読んだり、音楽を聴いたり、昔の映画を見るのが好きです。どうぞよろしく。

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